XMでは4種類の口座タイプが用意されているのですが、そのうち「STP口座」と「ECN口座」の2つの方式で運用されているのをご存知でしたか?
「そもそもSTP(ECN)ってなに?」
「どんな特徴や違いがあるの?」
と疑問に思う方もいるはずです。
そんな方のために今回はSTP口座とECN口座の概要やシステムの違い、どちらがおすすめなのかを詳しく解説していきます。
この記事を読むことで、あなたに最適なXMの口座がわかるようになるので、ぜひ最後まで読み進めてくださいね。
STP口座とECN口座の違いを比較
STP口座とECN口座は、簡単に言うとXMが顧客側から受け付けた注文の処理方式に違いがあるため、手数料やスプレッド数値に差が出てきます。
では具体的にどう違うのか、掘り下げて解説していきます。
STP口座の特徴とは
STPは「Straight Through Processing」の頭文字を取ったものであり、トレーダーの発注に対してXMが複数のカバー先のLP(リクイディティープロバイダー=銀行や金融機関)へ注文をマッチングさせる注文方式のことです。
トレーダーの「買い」注文に対してはカバー先LPの最も安い売値で約定させ、「売り」注文に対してはカバー先LPの最も高い買値で自動的に約定させます。
カバー先LPと取引をマッチングさせる必要が出るため、約定時間が遅くなりがちで、さらにはLPと価格が合わないと約定できない可能性もあります。
また取引に海外FX業者が介在するため、約定価格にスプレッドを上乗せされることになります。
瞬間的なスプレッド拡大によって不利なレートで約定させられたり取引操作される可能性は拭い去れず、取引の透明性も低くなります。
STP口座の特徴をまとめると下の表のようになります。
項目 | 特徴 |
---|---|
取引手数料 | なし |
スプレッド | 普通~広め |
最低取引数量 | 少ない |
約定方式 | 一度カバーした後に発注 |
約定力 | 低い(相場閑散時には約定しやすい) |
レバレッジ |
高い (最大1,000倍) |
透明性 |
低い。提携金融機関と最適な価格で自動約定 (板情報がなく気配値も見れない) |
ECN口座の特徴とは
ECNは「Electronic Communications Network」の略であり、「電子取引所取引」と訳されます。
株式投資のPTS取引に様々なプレイヤーが参加しているイメージをするとわかりやすいでしょう。
ECN口座は銀行や機関投資家、ヘッジファンド、個人トレーダー等々、市場参加者同士の相対取引であり、FX業者が取引に介入しないため、透明性の高い注文方式と言えます。
そのためレート操作などの業者による不正行為が発生する可能性はありません。
トレーダーはXMを通して「電子取引所」にアクセスして注文を出します。
電子取引所には銀行や機関投資家も参加していて、これらプレイヤーが多くなるほど流動性が高くなり、取引コストとなるスプレッドは狭くなります。
それがECN口座のスプレッドが狭い理由です。
ただし、トレーダーはXMに電子取引所の利用に対する取引手数料を支払います。
なお、ECN取引では、注文内容を「板情報」として確認できるメリットを得られます。
ECN口座の特徴は下表のとおりです。
項目 | 特徴 |
---|---|
取引手数料 | あり(ECN手数料が発生する) |
スプレッド | 高い |
最低取引数量 | 多い |
約定方式 | 直接発注 |
約定力 | 低い(相場閑散時には約定しやすい) |
レバレッジ |
STP口座より低い (最大500倍) |
透明性 |
高い。板情報(気配値)を見ることができる (板情報・気配値はない) |
XMのSTP口座とECN口座の違いを表で比較
XMのSTP口座とECN口座の違いを一覧表でまとめて比較できるようにしたので、ぜひ参考にしてみてください。
項目 | STP口座の特徴 | ECN口座の特徴 |
---|---|---|
取引手数料 | なし |
あり (ECN手数料が発生する) |
スプレッド | 普通~広め | 狭い |
最低ロット | 低い | 高い |
約定方式 | 一度カバーした後に発注 | 直接発注 |
約定力 |
低い (相場閑散時には約定しやすい) |
高い (取引量多い相場急変時でも強い) |
レバレッジ |
高い (最大1,000倍) |
STP口座より低い (最大500倍) |
透明性 |
低い。 提携金融機関と最適な価格で自動約定 (板情報がなく気配値も見れない) |
高い。 板情報に追加され、自動的に約定。 大口注文もスムーズに約定。 |
XMのSTP口座とECN口座のおすすめ度
では、XMのSTP口座とECN口座ではどちらのほうがおすすめ度が高いのでしょうか?
スペックや特徴の観点から比べていきます。
XMのSTP口座は「スタンダード」「マイクロ口座」「KIWAMI極口座」
そもそもXMの口座タイプは全部で4つあるのですが、そのうち「スタンダード口座」と「マイクロ口座」、「KIWAMI極口座」の3つがSTP方式で運用されている口座になります。
STP口座はざっくり“オールマイティーな万能口座”と言えます。
XMのECN口座は「ゼロ口座」
一方でECN口座は「ゼロ口座」が該当します。
スプレッドが狭く、どちらかというとトレーダー向けの口座です。
口座タイプそれぞれのスペックや特徴、違いについては次の表を参考にして下さい。
XMの口座タイプ別スペック比較表
XMの全口座タイプ別のスペックを調査して下表にまとめました。
スタンダード口座 | マイクロ口座 | KIWAMI極口座 | ゼロ口座 | |
---|---|---|---|---|
注文方式 | STP口座 | STP口座 | STP口座 | ECN口座 |
最大レバレッジ | 1,000倍 | 1,000倍 | 1,000倍 | 500倍 |
米ドル円 スプレッド |
1.6pips | 1.6pips | 0.7pips | 1.1pips (0.1pips+ECN手数料1pips) |
取引手数料 | 手数料なし | 手数料なし | 手数料なし | 手数料あり (スプレッドの他にECN手数料がかかる) |
ロット単位 (1枚あたりの建玉サイズ) |
1ロット =10万通貨 |
1ロット =1,000通貨 |
1ロット =10万通貨 |
1ロット =10万通貨 |
最小ロット | 0.01ロット~ | 0.01~0.1ロット | 0.01ロット~ | 0.01ロット~ |
ポジション毎の 最大ロット数 |
50ロット | 100ロット | 50ロット | 50ロット |
ボーナス | 口座開設・入金など | 口座開設・入金など | 口座開設のみ | 口座開設のみ |
XMポイント | あり | あり | なし | なし |
最低入金額 | 5ドル | 5ドル | 5ドル | 5ドル |
初めてXMを利用する人にはSTP口座がおすすめ
XMで取引を初めて行いたいという方にはSTP口座をおすすめします。
中でも「スタンダード口座」はスペックに優れていて、ハイレバレッジ取引だけでなく、練習がてら1,000通貨からの少額取引にも対応しているのでXMの口座に慣れるにはピッタリです。
ボーナスやXMポイントも付与されてお得度も高いため、まずは「スタンダード口座」を選べば間違いありません。
XMのSTP口座とECN口座、それぞれのメリット
STP口座の4つのメリット
1. ハイレバレッジ取引が可能
STP口座はカバー先LPがあることで、トレーダーのハイレバレッジ取引にも充分対応できるようになっています。
STP口座の高いレバレッジとは証拠金によって限度の違いはあるものの、最大で1,000倍の取引ができます。
「海外FX取引所なら異次元のハイレバレッジの取引ができる」と耳にします。
これもSTP取引に対応しているからこそです。
「勝負のタイミングを逃さないハイレバ取引」、さらには「ゼロカットシステムで追証のない取引」が可能です。
2つが揃っていることは、海外FXならではの醍醐味でしょう。
2. ボーナスやXMポイントが手厚くお得
XMのSTP口座には「スタンダード口座」と「マイクロ口座」「KIWAMI極口座」があります。
そのうち「スタンダード口座」「マイクロ口座」の2つは以下4つのボーナスキャンペーンを全部使うことが可能です。
- 新規口座開設ボーナス(入金不要ボーナス13,000円)
- 入金ボーナス(20~100%ボーナス)
- ロイヤルティ・プログラム(取引量に応じてXMポイントが付与)
- 友人紹介ボーナス(紹介人数に制限なしで出金可能な報酬を獲得)
取引コストだけに着目すると、ECN方式の「ゼロ口座」の方がお得ですが、ボーナス還元でお得度を実感できるのが「スタンダード口座」です。
ロイヤルティ・プログラムでは、取引量に比例してボーナスが還元されます。
このときに、還元されるボーナスを差し引くと、スプレッドが狭いゼロ口座よりも、スタンダード口座の方がお得になるのです。
それゆえXMでは「スタンダード口座」が一番人気の口座になっています。
3. 取引手数料は一切かからない
ECN口座の「ゼロ口座」の場合は、取引ごとに往復で10ドルの手数料が必要です。
ところが、STP口座の「スタンダード口座」「マイクロ口座」「KIWAMI極口座」は、取引手数料がゼロ円で済みます。
この差は使うほどに大きく感じるでしょう。
4. 少額資金から取引を始められる
最初や様子見のときは少額から取引したいですよね。
STP口座のマイクロマイクロ口座であれば、「1ロット=1,000通貨」と単位も少額から対応しています。
しかも最低ロットはなんと0.01から利用できる設定です。
ちなみに0.01ロットは10通貨です。
これなら少ない金額の取引もできて安心です。
ECN口座の4つのメリット
1. トータルの取引コストを抑えられる
XMのゼロ口座(ECN口座)では、電子取引所を利用するための取引手数料(ECN手数料=往復10ドル/10万通貨)がかかります。
ただし、トレーダー同士の相対取引のためにスプレッドが非常に狭くなっており、実際のトータルコストは低く抑えられます。
例えば、米ドル/円のレートが1ドル=100円の時に10ロット(100万通貨)の取引をした場合、ゼロ口座とスタンダード口座(STP口座)の取引コストは以下になります。
- ゼロ口座(ECN口座):1万2,000円
- スタンダード口座(STP口座):3万2,000円
米ドル/円のスプレッドを見ると、スタンダード口座は約1.6pips(0.016円)で、ゼロ口座は約0.1pips(0.001円)です。
スタンダード口座は取引手数料が無いため、取引にかかるコストはスプレッドの往復分の3万2,000円です(100万通貨×0.016円×2回)。
一方、ゼロ口座のコストはスプレッドの往復分2,000円(100万通貨×0.001円×2回)+取引手数料1万円(1,000円×10倍)で1万2,000円です。
つまり、取引手数料を取られたとしても、ゼロ口座(ECN口座)の方が取引にかかる全体のコストは圧倒的に低くなります。
2. スリッページがなく、どんな相場状況でも約定しやすい
ECN口座は取引にFX業者が介入しないため、取引の透明性が高くなっています。
また、ECN口座は電子取引所に集まった全ての注文が約定するまで注文状態が継続されます。
そのため、ECN口座の取引では約定拒否ということが発生しません。
なお、STP口座では、リクオート(FX業者がユーザーの指定価格での約定を不可とし、別途価格での約定を提示)という事態の生じることがありますが、ECN口座にはその心配がありません。
3. スピーディーに約定する
ECN口座では、ユーザーの注文がそのまま電子取引所に出されます。
電子取引所には、銀行や機関投資家の注文も入っていることから、約定スピードが非常に早いというメリットを得られます。
また、FX業者が介在するSTP口座では対応できないような、100万通貨を超える大口取引でも約定するという特徴を併せ持ちます。
4. 頻繁にスキャルピングしてもOK
スキャルピングは短期間に多くの取引を行います。
従って、以下の2つのことがスキャルピングの絶対条件となります。
- 取引コストが安い
- 約定力が高い
多くの取引を行うため、取引コストの高いSTP口座は適しません。
また、STP口座ではFX業者がユーザーの大量発注に対処しきれない懸念があります。
そのため利用規約でスキャルピング禁止にしている海外業者もあるほどです。
その点、ECN口座は小さな利益を積み重ねるスキャルピングでもコスト倒れになる心配がありません。
また、約定力が高いため、利益を取り損ねることもありません。
スキャルピングを行うユーザーにとっては、ECN口座が最適な口座と言えます。
XMのSTP口座とECN口座、それぞれのデメリット
STP口座の3つのデメリット
1. スプレッドが広め
業者が仲介するSTP口座は、完全に自動化されているECN口座よりもスプレッドが広いです。
業者への報酬として、手数料が上乗せされていると考えましょう。
一方でECN口座と違い取引手数料が必要ないので、一般的に、取引の総量が多いほどSTP口座の方が得であるとされています。
2. 取引の透明性に不安がある
STP口座で提示されるレートは、FX業者がカバー先の銀行のレートにスプレッドを上乗せしたものです。
実際の売り手がどのような額を提示しているかはオープンにされません。
スプレッドをどれだけ上乗せしてもトレーダーに気づかれにくいということです。
また、実際の値動きを把握しづらく、市場の動きが読みづらくなります。
3. 発注レートで約定しないことがある
STP口座は、トレーダーの注文を一度FX業者がカバーしてからの取引になります。
そのためECN口座よりも0.1秒から0.3秒ほど約定に時間がかかります。
わずかな時間ではありますが、値動きの激しい場などでは約定とならなかったり、ズレが発生してしまうことがあります。
ECN口座の4つのデメリット
1. 最大レバレッジが500倍に制限される
ECN口座の最大レバレッジは500倍であり、STP口座の半分でしかありません。
もちろん500倍でも大きなレバレッジですが、より大きな額での取引がしたい場合、STP口座を選択しておくのが良いでしょう。
また、急な取引や、入金が遅れるなどの事態に対応しやすいのもSTP口座と言えます。
2. 取引手数料(ECN手数料)がかかる
ECN口座のスプレッドは狭いですが、取引にはECN手数料がかかります。
取引の値はSTP口座の方が有利に見えますが、別に手数料のことを考えなければなりません。
取引額に対して数%などの設定もされているため、実際にいくら手数料が必要なのか、すぐに把握するのが難しい場合もあります。
多くの場合、取引の回数が増えれば増えるほど、STP口座の方がFX業者に支払う額は少なく、お得になります。
3. 受け取れるボーナスが少ない
ECN口座は開設時のボーナスを受け取ることはできますが、入金ボーナス、XMポイントは受け取ることができません。
お試しで始めてみたい初心者の方や、ボーナスを活用してできるだけお得に取引を開始したいという場合は、STP口座がおすすめです。
4. 仮想通貨取引ができない
ECN口座では仮想通貨CFDの取引をすることができません。
仮想通貨のトレードがしたい場合は、かならずSTP口座を選択しましょう。
XMでSTP口座とECN口座を使い分ける方法
ボーナスやXMポイントでお得さを追求したい人は「STP口座」を使う
STP口座であれば、XMのボーナスをすべて受け取ることができます。
ECN口座である「ゼロ口座」では新規口座開設13,000円のボーナスのみしか受け取ることができません。
ボーナスを最大限に利用してお得に取引を開始したい場合は、STP口座である「スタンダード口座」か「マイクロ口座」を選びましょう。
ハイレバレッジを最大限に活用したい人は「STP口座」を使う
証拠金の額にもよりますが、STP口座であればレバレッジは最大1,000倍です。
一方でECN口座である「ゼロ口座」では500倍までですので、レバレッジを最大限にきかせたい方はSTP口座を選択しましょう。
ストレスなく快適に取引したい人は「ECN口座」を使う
ECN口座は自動取引となっているため、FX業者の介入による約定拒否や、約定遅れの心配がありません。
FX業者を通信上で挟んではいますが、操作によってすぐに思う通りの取引ができる感覚です。
指標発表後の大きな値動きを狙ったり、デイトレードを何度も繰り返すなどの取引手法の場合は特に、わずかな値の違いも命取りになるため、スムーズな取引のできるECN口座をおすすめします。
まとめ
XMのSTP口座とECN口座の特徴や違いについてご紹介してきましたが、いかがでしたか?
どちらの口座も有利な点、不利な点のある甲乙つけがたい方式だと言えるでしょう。
自動化されたECN口座はスムーズで透明性の高い取引が行えますが、STP取引であればボーナスが受け取れたり、より少額の資金で取引ができるなどの利点があります。
ご自身のトレード手法や資金額などを考慮し、より使いやすい方式の口座を選んでみてください。